2007年12月のエントリー 一覧

2007読書ベスト10

引き続き、本の方のベスト。
コメント無しの手抜きですが、ほとんどこのブログで触れてきたものばかりなので、上記の検索窓より検索してご覧下さい。

1. 双生児/クリストファー・プリースト
双生児

2. 星新一 1001話をつくった人/最相葉月
星新一 一〇〇一話をつくった人

3. 赤朽葉家の伝説/桜庭一樹
赤朽葉家の伝説

4. 夢を与える/綿矢りさ
夢を与える

5. アナンシの血脈/ニール・ゲイマン
アナンシの血脈〈上〉アナンシの血脈〈下〉

6. 首無の如き祟るもの/三津田信三
首無の如き祟るもの

7. 図書準備室/田中慎哉
図書準備室

8. [ウィジェット]と[ワジェット]とボフ/シオドア・スタージョン
[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)

9. 私の男/桜庭一樹
私の男

10. 眼を開く/マイクル・Z・リューイン
眼を開く 私立探偵アルバート・サムスン〔ハヤカワ・ミステリ1792〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ノンフィクション系では
吉本興業の正体/増田晶文
ラーメンの真髄/石神秀幸
スタバではグランデを買え!/吉本佳夫
等々。

ちなみに該当年度(昨年12月以降)に出版されたものからの選出であります。

上記以外のもので今年読んだもののベスト。

1. 魔法/クリストファー・プリースト
2. アイの物語/山本弘
3. 神様/川上弘美
4. 宴のあと/三島由紀夫
5. 死の棘/島尾敏雄
6. それから/夏目漱石
7. ノルウェイの森/村上春樹
8. 暗夜行路/志賀直哉
9. 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹
10. 門/夏目漱石

こっちは順不同に近いかな。

今年は例年になく、3日に1冊ほどのペースで本が読めた。
読書家としてはまだまだであろうが、後半ペースダウンしたこともあり、ここら辺がやっとのところであろう。
来年もこれぐらいの感じだといいな。

2007邦楽アルバムベスト10

あれあれという内に年も押し詰まり、年賀状の準備何もしてないことにハッと気づき(というのは嘘で、知ってたけど手をつけなかった)、昨日パパッを沸いたインスピレーションを逃さずに作り上げる。
いやー、いまさらながらにパソコンは便利だね。数時間で全部出来るとは思わなかった。

つうわけで、いろいろ振り返る暇もないわけだけども無理矢理いろいろ振り返ってみようか。
まずは、elekingの選ぶ2007邦楽アルバムベスト10、行っておきましょう。

1. クレイジーケンバンド/SOUL電波
SOUL電波

2. 佐野元春/COYOTE
COYOTE(初回限定盤)(DVD付)

3. JAZZTRONIK/Grand Blue
Grand Blue(初回限定盤)(DVD付)

4. FreeTEMPO/Sounds
SOUNDS

5. Bonnie Pink/Thinking Out Loud
Thinking Out Loud(初回限定盤)(DVD付)

6. Capsule/Sugarless GiRL
Sugarless GiRL

7. 安室奈美恵/PLAY
PLAY(DVD付)

8. Monkey Majik/空はまるで
空はまるで

9. 槇原敬之/悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。
悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。

10. オムニバス/奥田民生カバーズ
奥田民生・カバーズ

順位はあまり関係ないかな。
上位4作は結構ヘビーローテで聴いたけども。
capsuleは出たばかりの新作「FLASH BACK」とどちらにするか迷ったけど、まだあまり聴きこんでないので。
あとは、くるり、カエラ、ミカ・バンド、bird、ドリカムあたりが次点かな。
相変わらずミーハー体質ですが。

陰日向に咲く
出てすぐに手にとって本屋でパラパラめくりつつ一部を読んだりして、うーんちゃんと読んでもいいかなと思いつつ、そのまま読む機会を失って早2年すか。
ベストセラーになって映画化されて、と、こうなってしまうとますます読みにくくなるへそまがり。
今回、めずらしくきまぐれで試写会に応募したら、当選ハガキが送られてきたため、そいじゃあということで慌てて読むことに。
オムニバスっていうか、短い幾つかの話から構成されていて、互いがほんのちょっとずつリンクしているところがミソ。
そのちょっとしたリンクが、ラストで活きるところが小憎い演出である。
なかなか達者だと思うが、それが劇団ひとりという一人の芸人が書いたものだと思うからである部分も大きく、何の前提もなく読んだら高評価をするにはいろいろ難癖をつけたくなる部分も多い。
が、さらっと読めて、いろいろ引っ張り過ぎない上品さもそこはかとなく感じられ、悪い印象は持たなかった。

で、映画の方。(ごく一部ネタばれとなります。)
原作そのまんまでは映画にしにくい筈なので、どう料理するのかが見所だったのだが。
ひとつひとつの話を原作どおり順番に見せるのではなく、バラバラに解体してギャンブラーの話を中心に再構成するやり方はとりあえず良しとしよう。
そのせいもあって前半はまずまずテンポ良く、細部はある意味原作通りといった形で進行する。
後半に入って、各エピソードのリンクを原作をいささか超えた域において繋ぎ始めたところから、映画はもたつき始める。
独自のテーマが混入され(「父と子の確執、和解」「雨のち晴れ」etc)、原作において品良くホロッとさせるシーンが引き延ばされ過剰に演出される。
2時間9分という上映時間がかなり長く感じられてしまうほどだ。
各エピソードのリンクを濃くしたことは、主演を立てた映画というものを作るに際し効果を生み出しえるひとつの方法であろうし、別に原作に忠実にやることが最上でないことも了解しているつもりだ。
また観る側としても原作にこだわる見方をする必要もないんだろうけど、原作の持つ軽く、しつこくない上品だった持ち味が結果的に失われてしまったのはちょっと残念に思う。
あと、みゃーこのエピソードだけリンクをいじっていなく、さらに原作上のひとつのエピソードを完全に削ってあることもあり、あのエピソードだけが完全に浮いていて息抜きみたいになってしまっており、ちょっと違和感が残る。

岡田准一はじめ俳優陣はなかなかがんばっているのではないでしょうか。
宮崎あおいはあまり見たことがなくって良さがイマイチわかってなかったが、笑顔はいいね。方言もよかった。
ただ塚本高史は、彼は悪くないと思うのだがどう考えてもミスキャストではないか。どっちかというとやはり伊藤淳史の方がこの役に向いてるでしょ。あくまでイメージだけども。

試写会なんて、ン十年振りに行ったなあ。
観客構成は8割方以上、女性だった。やっぱ岡田めあて?

続きです。

6.キングコング
さて最近、自意識過剰ぶり全開の西野のブログを結構丹念に見ているのだが、その内容はというと、まあ自分のような歳になると「若者よ大志を抱きなさい。ウォッホッホ」と鷹揚に構えていられるが、もう少し若かったら「ウザッ」とか言っていちいちカンに障っていただろうなあと思うような、計算高さと純粋さの入り交じったある意味人間くさいブログであり、そこが結構気に入っている。
今回のM-1に対しても参戦決意の当初からその意気込みを語っていて、その意気や良しとばかり今回の闘いぶりを注目していた。
しかしながら個人的な結論からいうと、結構好意的に見たにも関わらず、いささか期待外れ。
動きもいいしテンポもいい。西野のツッコミがいささかガナリ過ぎという点もさほどマイナス要素にはならない。
その勢いを好ましく微笑んで見たけど、それを超えるものはなかったように思う。
決定的にネタが平凡というのが、痛い。
7.ハリセンボン
こちらは逆にあまり期待していなかったけども、思いの外良かったというパターン。
ここもザブングル同様、キャラ漫才の範疇に入れることができるんだろうけど、その類型を脱したおかしみが感じられたし、幾つかのボケやツッコミに独創性を感じた。
経験が力を産むんだなあと素直に思うし、4位という結果は妥当とも感じる。
8.ダイアン
たぶんこれまでネタは1、2回しか見たことない。
その時と印象は大きく変わらずで、もう少し面白くなりそうなのにという消化不良感が残る。
ネタの流れもあまり良いとはいえず、ボケもパンチが足りない。
もうちょっと別のモノを見てみたい。
9.敗者復活枠ーサンドウィッチマン
「エンタの神様」を全てチェックしてるわけではないが、たまに見ると目を惹かれるのがこのコンビだった。まあ、いかにも僕好みなんだけど。
「エンタ」という番組の性格上、すべてコント仕立てになっていたが、こうして漫才の形で見てもまったく違和感がない。
笑点とかで見たのはどっちの形だったかなあ、と忘れるほどにネタとしては掛け合いの面白味に満ちておりそんな枠組みから自由な感じなので、漫才じゃなくてあれはコントだとネットのあちこちで見かける評には馬鹿馬鹿しく思う。
やはり敗者復活枠というのは、決戦のプレッシャーに押しつぶされるヒマがないということと、昼間の闘いでの勢いをブースターにして威力を増幅できる強みがあるのだろうと外目に見て感じる。
それにしても最初の二言三言で最終決戦進出を確信させる程の出来は見事。

《最終決戦》
1.トータルテンボス
これまた安心して見ていられるかと思ったが、小ボケの幾つかがヤヤウケ程度だったことや、最後たたみかけてネタがエンドレスになっていくところが早口になりすぎて聞き取りにくかったのが惜しい。
この時点で、勢い的にほぼサンドウィッチマンの勝利を確信。
2.キングコング
うーん、今、念のため見返してみたけど、形のいい漫才だと思う。
だけどもネタ自体がやっぱあんまり笑えない。
来年以降もM-1に挑戦するんであれば、たとえばネタを外部(作家)に依頼するとかして、演者に徹してみてはどうだろう。
現状ではモノ作りにこだわる西野のプライドが許さないのだろうと思うが。
別にモノ作りを諦めろってんじゃなくて、そうすることで見えてくるものもあるんじゃないのかなって、素人考えだけど。
3.サンドウィッチマン
ちょっと小粒なネタだけど、期待を裏切らない出来。
冷静に見ると、トータルテンボスの方が良く作り込まれたネタだと思うが、ボケのおかしみとツッコミの言葉選択の巧みさが、こちらの方がより安心して見られるレベルに達しているような。
ということは結構どんなネタを持ってきても平気か、ここは。
ま、それは正月以降の楽しみということで。

以上、まずは納得の結果で、やっぱりラストはちょっと感動したなあ。
M-1の歴史的には、ここでいったんリセットされた感じを受ける。
麒麟、笑い飯は行き場を失ってしまったのではないのか。逆襲はあるのか。
さて、来年こそは次の世代がちらちらと顔を出してくる予感。

さて、では予告通り、例年の視聴記をやっておきましょう。
とりあえず半分。

1.笑い飯
彼らの場合、敵は周りではなく、M-1の2002および2003の時の自分達の姿であるのではないか。
2002で初登場し目新しいWボケパターンで旋風を起こし、それが少し馴染んだ2003大会の時の笑いの核融合、息継ぎが出来なくなるほどの笑いの連続発作を産み出したあの幻影を、見る側がどうしても追ってしまうのだ。
今回のネタもあまりにもアホらしく(誉め言葉)、彼ららしくて嫌いではないが、「やってるやってる」というニヤニヤ笑いが産まれるだけではあの幻影を振り払えない。
型破りなような印象があるが、実は意外と型にはまったネタが多いのかな、というのが、笑い飯の今後超えるべきハードルなのかもしれない。
2.POISON GIRL BAND
どうしても地味な印象が振り払えないのだが、それが悪いというわけでもない。
M-1のファイナリストとして定着してきた感があるが、あまりいい結果を残せていないというマイナスイメージが強い。
今回のネタは以前にも見たことあり、独特のシュールな感じは割と好きなのだが、後半の展開が弱く、マイナスイメージを打ち破るまでには至らなかったかな。
3.ザブングル
うーん、事前の予想をあまり裏切らない内容。あまり良くない意味で。
こうしたある種のキャラ漫才を否定するわけではないが、M-1の舞台で見たいかと云われるとけしてそういうわけではない。
審査員の評価が思ったより好評だったような気がするのは何故なのだろう。
特にツッコミの方の評価。そうかなあ...。
4.千鳥
この独特の空気もすっかりM-1に馴染んできたかと思う一方、トップバッターの位置ではなくてもこの感じでは決して爆発することはないのかもという不安もまた感じる結果に。
ネタ的には巨人が言うとおり、最後が蛇足、または弱い。
5.トータルテンボス
なんとなく実力をつけてきている気配が漂っていたので、事前予想で最終決戦に残るとマークしたのだが、その期待を裏切らない出来。
細かく伏線を配したネタを小ボケの連続で組み立てていくオーソドックススタイルながらイマ風の返しやツッコミを小気味良く織り交ぜ古さは感じない。
安定感抜群でここに来てやっと安心して笑えるという感じ。
大竹まことの少しベタ過ぎるという指摘は非常に良く理解できるのだが、ここまでのメンツの中では評価せざるを得ない。
というか、もちろん積極的に良かったと思う。

というところで明日に続きます。

参考:
2005の視聴記
2006の視聴記

先ほど、時間差でM-1グランプリ2007、無事視聴し終わりました。
生の時間帯は、なかなか落ち着いて見ることができないので、録画して夜中にゆっくり見ることを常にしているのだけど、それまで結果を知らないように過ごすのに結構苦労する。
TVを見るなど厳禁。昨年は裏の生放送で優勝者の名前をバラされた。
ネットなど見ようものなら、最近はすぐニュースが目に飛び込んでくるしねえ。
そんなところに、HDレコーダーのアクシデントでまさかの録画失敗。どうなることかと思ったけれど、保険にかけておいたPCのTVチューナーの方の録画は無事だったので(用意周到)、ちょっと小さな画面ながらいつものように真剣視聴。
まだ、たった今のことでぼーっとしております。
ちなみにファイナリスト選出の時に書いた記事はこちらである。
展開としては予測の範囲内であったけども、さすがに敗者復活組をズバリ言い当てることは難しいよね。
でもあわよくばと見たかったコンビが、無事見ることが出来、そして歓喜の結末を迎えたことで、こりゃ感無量っす。
視聴記は、明日以降落ち着いてから書こうと思います。

『開口閉口』開高健

開口閉口 (新潮文庫)

開高健を読むのはなんとも初めて。
盟友である筈の山口瞳には一時どっぷりはまり込んでしまって、手に入りやすいあらかたのエッセイ類は読んでしまっており、そろそろ開高健に手をつけるか、と思って手に取った世評の高い一冊。
の筈だが、結果的にはなんかノレなかった。
いわゆる蘊蓄系のエッセイなのだが、その蘊蓄の内容にあまり興味を持てないせいなのか、なんなのか。
文章もおそらく素晴らしいんだと思うのだが、個人的にあまりひっかかってこない。
うーん、今の自分が欲している部分と合わなかったのかなあ。
じゃ、なにを欲してるの、と聴かれると非常に困る今日この頃なのだが。

『対岸の彼女』角田光代

対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)

角田光代を読むのは「空中庭園」以来、2冊目。
直木賞受賞ということで有名な作品で、評価も高い。
途中までは、その評価に頷きながら読み進めたのだが、終盤手前あたりからどうもいまひとつノレなくなる。
いや、筆はなめらかで読み進めることになんら苦痛はないのだが、ちょっと白けた感じになってしまったのだ。
女性ならばわかる(はずの)、女性同士の友情の機微や関係性が巧みに描かれているとは思うのだが、その描かれ方がソツのない感じというか...。
わざわざそんなこと言うのもどうかと思うほどの良作とも思うのだが、男だからこっ恥ずかしいのか、なんだかわからないんだけど。
だから、ラストの丸め方も、物語を追う者としてはホッとする反面、それで万事収まるわけじゃないよね、と嫌みのひとつも言いたくなるのだ。

昨晩は「爆笑レッドカーペット」の第5弾の放映だったので、楽しみに見た。
まあ、楽しく見たわけだが、さすがに5回めになるとだんだん新鮮みが薄れてくる。これは宿命なので仕方ないのだが、出場回数を重ねた芸人ほどツラくなってくる。
これがきっかけのひとつとなって売れたといっても良い、ムーディーやにしおかすみこなどご苦労さまでした、と言って送り出してあげたい。
同じ初回からの出場組でもハイキングウォーキングともなると、まだ消費されきってないせいか、笑えるんだけども。
新しいところでは、脱力系ラップのジョイマンが良かったし、大好きな髭男爵も初出場で堂々の印象を残した。
超新塾、FUJIWARA、我が家、バカリズムの好みの組は好調でよろしい。
ジャルジャルはもうひとつしっくりこんなあ、面白いという人がいるのはわかるんだけど。
鳥居みゆきは「ヒットエンドラーン」は耳に残るが、個人的にはあんまし。
そしてさすがの世界のナベアツ。8が混ざるパターンは初めて聴いたが、素晴らしすぎる。
このネタに匹敵するネタがどれぐらい作れるか今後の見ものだなあ。
レッドカーペット自体は、元旦夕方にゴールデンカーペットとして特別版をやるみたいですな。で、朝はゴールデンピンクカーペットとのこと。
そもそもが爆笑ヒットパレード第0部の流れを汲んでできた番組であるはずなので、故郷に帰るというべきか。

さて、それ以外でここ最近気に入っているお笑い関係にふれておこう。
まず番組ではフジ系列深夜の若手コント番組『コンバット』。
名古屋ではこの10月から始まったばかりで、注目している平成ノブシコブシが出ているのでちらちら見ていたが、最初はあまりノレなかったのだが段々ハマリかけてきた。
ここでは、あきげんの秋山良人が目立っている。(コスプレコント「パニパニパーティー」等)
名前はもとより、顔もロバートの秋山にそっくりで芸風も近い部分があるので最初は弟かとおもったのだが、違うようね。
ぼれろ・小庭の松岡シュウゾウもおかしい。
コント番組は作るのも見るのも体力いるので、なかなか続かないんだが、『はねトビ』【亡き】後のフジのコント番組の後を継げるか。

あと最近は、『あらびき団』を見て、『やりすぎ』『アメトーク』をチェックするぐらいかな、比較的ちゃんと見てるのは。
芸人では、ガリガリガリクソンがちょっと気になってます。

『暗夜行路』志賀直哉

暗夜行路 (新潮文庫)

始めのうちはピンと来ぬままじりじりと読み進める。
言わずと知れた名作である筈だが、内容について一切の予見なく読み始めたせいもあり、予想していた物語とは結構離れていたということもある。
単純な頭で恐縮だが、題名からもっとジメジメした陰鬱な話を勝手に想像していたのである。
元気溌剌な物語であろう筈もないが、さしてネクラな話というわけでもなさそうである。
読み進めつつ、後半になって主人公が結婚したあたりから俄然面白くなる。
物語が動くと言えば動くのだが、そのストーリーが面白いというよりは、描写の凄さに唸るといった感じ。
特に、妻の秘事が発覚するに至る寝床での場面は凄いと思う。
ラストも見事。
あの着地の仕方は只事ではないと思いました。
ただのオープンエンディングなんてチョロいもんじゃない。
そこに至るまでの文章の匙加減が絶妙。
やっぱ名作と呼ばれる作品は馬鹿にならん。参りました。

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