2008年6月のエントリー 一覧

雨の日曜

ひさびさに腰の具合が思わしくなく、特に用事もなかったし雨も降っているということで、ほぼ一日寝ていた。
ごろごろしながら、図書館でちょうど借りてきていた『続・人間コク宝』吉田豪、などを読み続ける。ゴロ寝読みには最適と言えよう。
ゴロ寝といっても布団を引いて本格的に寝ていたのだが、ちょっとは動かないと逆に腰が固まってしまうような気がしたので、夕方、家の周りを散歩。

どうもこのところ、ノリが悪く、全般的に運気低迷というかバイオリズム低下気味。
ちょっとおとなしくしていよう。

最近読んだ本 5?6月

読書の感想をまたずいぶんサボッてしまった。
溜めれば溜めるほど記憶が薄れていくだけなんだけどね。
ま、とりあえずここ1ヶ月ばかりの分からピックアップ。

オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)
『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック

注目を浴びてスタートした池澤夏樹版「世界文学全集」の第一弾ということで、青山南による新訳。
最初快調にすいすい飛ばして読んでいたのだが、中盤あたりから突然退屈になってしまい、どうにも乗り切れぬまま読み終えた。
広範囲に影響を与えた名作と評されるが、少なくとも僕には影響を与えなかったようだ。

東京大学「80年代地下文化論」講義
宮沢 章夫
白夜書房
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『東京大学「80年代地下文化論」講義』宮沢章夫

宮沢章夫の文章は好きで、一頃は結構読んでいたのだがこのところはご無沙汰だった。
といっても、この本は文章ではなく講義録なのだが。
近年、オタク側から語られることの多い80年代を、一方の華であったピテカン系の立場から「かっこいい」面を中心に語り直したという趣向。
講義中、ちょくちょく大塚英志の『「おたく」の精神史』が引き合いに出されている。
YMO、スネークマンショー、宝島、岡崎京子等々、「なにもかも皆懐かしい」のだが、いかんせん当事者の自慢話(当人にそのつもりはなくても)に聞こえてしまうのみで、果たして宮沢が伝えたいという「かっこよさ」が、今の若者にちゃんと伝わるのかは疑問。

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
『ユービック』P・K・ディック

ちょっと前からディックを読み直していきたいと思っていたので、実行に移す第一弾。
おそらくディックを読むのは15年ぶりとかそんな感じ。
で、25年ぶりぐらいに読むこの作品は、ディックにしてはよくまとまっていると評される代表作の一編で、断片的にしか筋を覚えていなかったが確かにおもしろい。
でもなんかこじんまりとした印象だなあ。

時は乱れて (サンリオSF文庫)
フィリップ・K. ディック
サンリオ
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『時は乱れて』P・K・ディック

再読はもちろんだが、実は未読も多くて、そこら辺りも消化していこうと、まずはサンリオ文庫ディック第一弾のこの作品。
おもしろさは中ぐらいかな。

限りなき夏 (未来の文学)
『限りなき夏』クリストファー・プリースト

待ってましたのプリースト短編集だが、結論から言うとこの人の場合長編の方が好きだなあ。
とはいえ、表題作と「青ざめた逍遥」はよくできた時間SF短編だと思うし、ドリームアーキペラゴ連作に漂う不思議な雰囲気も忘れがたい。
集中三編選ぶとすれば、「青ざめた逍遥」「火葬」「奇跡の石塚」かな。
結構楽しめたし、スペキュレーティブフィクションに興味のある人なら当然買い、である。

現実の向こう
『現実の向こう』大澤真幸

まずまず面白く興味深かったのだが、途中『砂の器』を延々と論じたところがあって、未読なんで参ったなあw。

ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット
『ダ・ヴィンチ・コード 』ダン・ブラウン

いまさらのベストセラーなんだが、ブックオフで1冊100円ならぬ3冊で100円でワゴンセールされていたので、思わず買ってしまった。
そこそこ楽しませてくれるだろうという期待のもと読み始め、まずまずその通りではあったものの、冒頭から中盤までが一番楽しめたかなあ。
後半は期待ほど盛り上がらない。

宿六・色川武大 (文春文庫)
『宿六・色川武大』色川孝子

色川武大は一時集中して読んで虜になり、今でも大切な作家の一人である。
この書は残された夫人が在りし日の生活を追想し書き綴ったエッセイ。
色川作品でいえば『離婚』や『恐婚』はたまた『引越貧乏』あたりの裏側が描かれており、なにかと興味深い。
その夫婦形態はもとより、生活そのものがやはり並ではなかった、と改めて実感。

21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

というわけで、先週はずっと浦沢直樹『20世紀少年』を読み続けていたわけで、かなり夢中になったと記録しておこう。
浦沢作品とはずっと疎遠で来ており、当時スピリッツは購読誌であったにも関わらず『YAWARA!』は飛ばして読んでいたほどである。
絵柄は僕の好みの小学館路線であり決して嫌いではなかったのだが、どういうわけだが食指が動かなかった。
で、程なくしてマンガをほとんど読まなくなってしまったので、その代表作のほとんどを読んでいない。
それでも『PLUTO』にはさすがに興味を持たざるを得ず、連載を追うとこまではいってないものの、単行本の何巻かまでは読んでいる。

で、この『20世紀少年』もまったく予備知識なしで読んだ。
実はひょんなことで先日読んだいましろたかしの『デメキング』との類似性(浦沢自身も完全版に解説を寄せているが)が実に興味深い。
ストーリーとかは全然違うわけだが、モチーフというか空気感が近いのだ。
『デメキング』が自主制作の未完の短編映画とすれば、『20世紀少年』はそれをハリウッドで三部作の超大作にリメイクしたような感じといえばいいだろうか。
個人的にはどっちも好きだけど。

で、賛否両論のあるラストだが、8年間の連載につきあった人と短期間で単行本の一気読みをした人では受け取り方や感じ方が違ってくるかもしれないねえ。
僕はやはり最初いささか物足りなく思ったものの、時間が経つにつれ段々納得、って感じ。
この読者の反応まで計算に入れていたとすれば、なかなかの策略だよなあ。

全体としては、程々にわかりやすく程々に先読みできない展開、ノスタルジーに淫していない節度ある描写、マンガ全体に対するリスペクトを所々に織り交ぜた構成等々、好感を持って読み終えた。

てことで、映画化もされることだし(単純に面白がって見たいと思うけど、冷静に考えれば不安の方が大きいよね)、未読の方(オレだけだったか?)は是非どーぞ。

父の日ということで。

一頃は早く目覚めていた日曜の朝だが、ここ最近は9時頃起床というパターン。
早朝から起きてアニメを見続けている3女が、外に遊びに行きたくてしびれをきらしている。
小4になってバスケ部に入ったので、バスケットリングが設置している公園で練習したくて仕方ないのだ。
このところは家にいるときはPCの前にばかり居たがる小6の次女だが、同じバスケ部なのでなんとか誘い出し、三人で近所の公園へ。
しかしバスケットゴールは占領されていたので、車でちょっと離れた別の公園へ。
そこでもすでに占領されていたが、パス練習などをしながら空くのを待って、シュート三昧。

昼頃家に戻り、冷や麦とチャーハンなどで昼飯。
そういえば、朝もロクに喰っていなかった。
父の日のプレゼントとして、長女からハンドタオル、次女からは定番の「かたたたきけん」「おてつだいけん」、そして三女からは「なんでもけん」(!)と「ラーメン屋おつきあいけん」(笑)を頂く。
0806151.jpg

(なんでもOK)って...w。
すべて大切に使わせていただきます。

おまけに三女の書いた絵。
0806152.jpg

昼からは久々に昼寝等しながらゴロゴロ。
ほんとにゴロゴロ。
最近、ゴロゴロしてるとかえって疲れがたまるんだよねえ。
夕飯を食ってからもゴロゴロして、風呂に入って今週読み続けた20世紀少年をラストまで。
いやあ、楽しめました。

久々にマンガ読む

どうも間が空いてしまうね。
あれこれ更新したいことはあるんだけども、ついつい。
本のコトも書いておきたいし(『限りなき夏』もちゃんと読んだ)、音楽のコトもあれこれ...。

ここのところは毎晩ちょっとずつ『20世紀少年』を読み続けている。
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)
前にも書いたけどもこの10年以上、まっとうにマンガを読んでいないので珍しいんだけど、このマンガはずっと気にはなってたのよ。
ま、映画公開も間近みたいなので、今の内にということで。
今日はちょうど10巻まで読んだ。
うん、楽しいでござるよ。

訃報相次ぐ

作家の訃報が相次いだ。

野田昌宏氏逝去。
SF翻訳家・作家であり、日本テレワーク設立に関わり「ポンキッキ」制作に携わり、ガチャピン・ムックの産みの親、というかガチャピンのモデルである。

小学生の頃読んだ、氏が翻訳した「キャプテンフューチャー」シリーズが、SFをそれとして初めて意識した作品であった。
作品自体はもとより、巻末の訳者あとがきに魅せられて密かにその名を胸に刻んだ。
『レモン月夜の宇宙船』というハートフル&コミカルな短編集も好きだった。
『SF英雄群像』の文庫版が出た時も、待ちかねて読んだものだ。
『スターウォーズ』のノベライズも、映画公開のかなり前に発売されたところを本屋で取り寄せんばかりにして読んだし、東映映画『宇宙からのメッセージ』のノベライズも石森章太郎の絵に釣られたということがあるものの、面白く読んだ。

ただその後はあまりいい読者ではなかった。
チャンドラーの翻訳や人気シリーズ「銀河乞食軍団」は結局一冊も読んでいないし、近年のファインタック等も同様だ。
でも、SFマガジンに長期連載されていたエッセイは楽しみに読んでいたかな。

一度だけ本人にお会いしたことがある。
確か自分の車にも乗せた筈だ。
どういうことかというと、学生の頃手伝っていたSFコンベンションのDAINA☆CONにゲストとしてお見えになった時に、スタッフとして接したというだけのことであるのだが。
噂通りのにこやかで気さくなお人柄を実感する一方で、それだけではない鋭さも時折垣間見えた気がする。

ご冥福をお祈りします。


また、氷室冴子氏も同日逝去されたとのこと。

おそらく僕が読んだ唯一のコバルト作家であろう。
『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』『なぎさボーイ』あたりの80年代前半の作品は、当時の先輩・仲間に影響されて何冊か読んだ記憶がある。
僕はその功績を論じる任にはないが、コバルト文庫、いやこの時代の少女小説を代表する作家であったことは間違いない。

安らかに。

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