『20世紀少年』『21世紀少年』浦沢直樹

21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

というわけで、先週はずっと浦沢直樹『20世紀少年』を読み続けていたわけで、かなり夢中になったと記録しておこう。
浦沢作品とはずっと疎遠で来ており、当時スピリッツは購読誌であったにも関わらず『YAWARA!』は飛ばして読んでいたほどである。
絵柄は僕の好みの小学館路線であり決して嫌いではなかったのだが、どういうわけだが食指が動かなかった。
で、程なくしてマンガをほとんど読まなくなってしまったので、その代表作のほとんどを読んでいない。
それでも『PLUTO』にはさすがに興味を持たざるを得ず、連載を追うとこまではいってないものの、単行本の何巻かまでは読んでいる。

で、この『20世紀少年』もまったく予備知識なしで読んだ。
実はひょんなことで先日読んだいましろたかしの『デメキング』との類似性(浦沢自身も完全版に解説を寄せているが)が実に興味深い。
ストーリーとかは全然違うわけだが、モチーフというか空気感が近いのだ。
『デメキング』が自主制作の未完の短編映画とすれば、『20世紀少年』はそれをハリウッドで三部作の超大作にリメイクしたような感じといえばいいだろうか。
個人的にはどっちも好きだけど。

で、賛否両論のあるラストだが、8年間の連載につきあった人と短期間で単行本の一気読みをした人では受け取り方や感じ方が違ってくるかもしれないねえ。
僕はやはり最初いささか物足りなく思ったものの、時間が経つにつれ段々納得、って感じ。
この読者の反応まで計算に入れていたとすれば、なかなかの策略だよなあ。

全体としては、程々にわかりやすく程々に先読みできない展開、ノスタルジーに淫していない節度ある描写、マンガ全体に対するリスペクトを所々に織り交ぜた構成等々、好感を持って読み終えた。

てことで、映画化もされることだし(単純に面白がって見たいと思うけど、冷静に考えれば不安の方が大きいよね)、未読の方(オレだけだったか?)は是非どーぞ。

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