viva! どんどん庵

たまに昼飯を食べにいく「どんどん庵 金山店」が、少し間を空けた間に「あかつきうどん 金山店」という名前に変わっておった。
中央本線の鶴舞〜金山の高架下にある「山ちゃん」のすぐ隣にある店舗である。
8月8日OPENとなっており、お馴染みの黄色い看板が赤いそれに変わっているが、内装はほぼそのまま。
内容も同じセルフ店だが、そば・きしめん・丼物の提供を廃しうどんオンリー。温か冷かの区別だけ。
天ぷらとおにぎりとのセットで350円と値段を下げてきた。
これ税抜き表示なんで正確には367円なんだけど、どんどん庵だと同じ構成にすると480円以上になるので比べるとかなりお得感がある。
それでは近年隆盛の讃岐系チェーンに値段で負けるので、対抗してきたか、といったところ。
味の方は、今日はころうどん(冷たいうどん)にしたからはっきりとはわからないが、ほぼ同じかなあといった印象。でもうどんの印象がちょっと違ったかも。これは次回温かいのを食べて確かめよう。

しかし自宅の近所の支店も突如なくなったし、四日市方面に行った時は変なロゴの店舗(日清どん兵衛のパクリというかそのまんまの)を見かけたし、「どんどん庵」にいったい何があった? 

どんどん庵」とは「サガミチェーン」傘下の株式会社ディーディーエーが名古屋市を中心に愛三岐東海三県下に約70店舗を展開するセルフうどんチェーンである。
wikiを見ると会社の設立自体は1997年と最近だが、実質その歴史は古く、僕自身の記憶としては約40年前に今池ユニー内の店舗で食べたのが最初だ。

直営のほかFC店舗の比率がかなり高いようで、各店独自に出汁をとり、一見どこも同じようにみえても天ぷらメニューや一部サービスに店舗毎の特色もある。
今回の事態はいわゆる「FC抜け(フランチャイズの足抜け)」なのかなあ、と想像するわけだが、ファンとしては本体の安泰を望むばかりである。

かように「どんどん庵」のことになると少し熱くなるワタシであることは、古くからのこのブログの読者やTwitterのフォロワーの方なら先刻御承知であろう。
年に数回行われる「どんどん祭り」(うどん一人前が100円になったり、金券500円分等が配られるセール)のたびに騒いでいるアレのことである。
わーわー言ってる割りにはあまり共感を得られていないようなのだが、僕が「どんどん庵」ファンであるのには理由がある。
いわゆる味噌煮込みとかカレーうどんとかではない、昔からの大衆的な「名古屋のうどん」の味がここで味わえるからだ。

「どんどん庵」は立ち食いそば屋がほとんど存在しない名古屋においてそれに変わる存在、つまり名古屋における「富士そば」的な位置にあるといえよう。
このことはすなわち名古屋がそば文化ではなくうどん文化圏であることを如実に示している。

今でこそ当地にも美味しい蕎麦専門店が何軒も存在するが、昔から大衆的なそばはそば屋で食べるものではなく、うどん屋でサブメニュー的にあるのを食べるというのが一般的であったように思う。
公設市場には玉うどん(うどん玉)といって茹であげたうどんを一人前ずつまとめてあるものをガラス蓋のついた木箱に入れてずらっと並べたものを売っており、きしめん、そばも確かにその横に並べられていた(つまり、そばも茹でられたものが玉になっている)があくまでサブ扱い。
このうどん玉、お湯で少し温めて、一緒に売っているおつゆに入れればすぐに食べられるので、お昼の食卓などには良く出されたものである。天ぷらも一緒に売っているので面倒がない。

「どんどん庵」の仕組みもほぼその市場のうどんのそれを踏襲しているといってよい。
店に入るとまず、丼に入ったうどん、きしめん、そば、小盛、大盛等が棚に並べられており、好きな物を各自取る。
次にその麺をテボ(手持ちのついた深い金ざる)に入れ、湯が煮たっている麺茹で機で十数秒温める。
しっかり湯切りをして温まってほぐれた麺を丼に戻し、レジの横に並べられている天ぷら他のトッピング類やおにぎり、飲み物等のサイドメニューをお好みでトレイに載せる。
その時点でレジで支払いを済ませ、その先にある出汁つゆ供給機の蛇口をひねり、好きなだけつゆを入れ、ねぎを加え、お茶や水をとって好きな席に着席する。
そして卓上の一味を振りかけておもむろに頂き、食べ終わったらフードコート同様に食器返却口に自分で戻すというのがこのチェーンのスタイル「セルフシステム」である。

先に40年前に食べたのが初めてと書いたが、子供心にその「セルフシステム」がおもしろく、また市場で買って常に家で親しんでいるうどんの味に近いので、自分には「どんどん庵」は刷り込まれてしまっている存在といっても良い。
讃岐うどんのようにコシが強い麺ではなく、今でこそ改善されているものの悪く言えば昔は団子に近いような、いわゆるソフト麺のような口辺りの柔らかい麺に、ムロアジや鯖からとったと思われる雑味のある出汁に濃いめの醤油で成り立っているつゆの組み合わせは、特にこの地方以外の方には違和感があるようだ。
そういえば、他地方出身のコワモテの某ラーメン店オーナーがあからさまに馬鹿にしていたのを思い出す。「あんな麺」に「あんなつゆ」扱いであった。
でも、その意見はその意見でわかるのだ。
歯をはねかえすような強い弾力の麺といりこ出汁昆布つゆのうどんに馴染んだ舌にはまったく合わないであろう。
文化の違い、である。

しかしそれも崩れてきている、と思う。
玉うどんを対面で売る街の市場はほとんどなくなり、スーパーで売られているうどんの主流は讃岐の冷凍うどんではないだろうか。
確かにあれは保存も利き、扱いも便利だし美味い。
また飲食店も多様化し、先に挙げた複数の讃岐うどんチェーンの進出や関西風うどんなどが手軽に食べられる。
ひょっとしたらいわゆる「名古屋風」のうどんを食べる機会より多くなっているかもしれない。
大衆店ではあるものの「どんどん庵」は、セルフうどん店として決して安価ではない。
さぬきうどんのセルフには一杯100円の店がゴロゴロしているが、「どんどん庵」では一杯280円である。てんぷらひとつ載せておにぎりひとつでもつければ500円に手が届く。無料トッピングの数も少ない(以前は花かつおも無料だったよなあ)。
そのような状況は会社も認識しているのだろう。「どんどん祭り」の開催は以前より頻繁に行われているように感じるし、従来値段が少し高かったころ(冷)を温と同じ値段に下げたり、つゆに関西風の白出汁を加え、従来の赤と選択できるようにしたり、季節毎のメニューを投入したり、名古屋名物のあんかけパスタを提供できる店舗を作ったりと、小さな改革もちらほら見られる。

ファンとしては、とにかく頑張ってくれ、としか云いようがない。
その僕にしたって「丸亀製麺」等讃岐系チェーンの方が総合すれば魅力的にみえる時も多いのだ。
値段を下げメニューを絞った「あかつきうどん」が「どんどん庵」が変身していく姿のひとつの手本となるのか、そうではないのか、しばらく静観してみようと思う。

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