訃報相次ぐ

作家の訃報が相次いだ。

野田昌宏氏逝去。
SF翻訳家・作家であり、日本テレワーク設立に関わり「ポンキッキ」制作に携わり、ガチャピン・ムックの産みの親、というかガチャピンのモデルである。

小学生の頃読んだ、氏が翻訳した「キャプテンフューチャー」シリーズが、SFをそれとして初めて意識した作品であった。
作品自体はもとより、巻末の訳者あとがきに魅せられて密かにその名を胸に刻んだ。
『レモン月夜の宇宙船』というハートフル&コミカルな短編集も好きだった。
『SF英雄群像』の文庫版が出た時も、待ちかねて読んだものだ。
『スターウォーズ』のノベライズも、映画公開のかなり前に発売されたところを本屋で取り寄せんばかりにして読んだし、東映映画『宇宙からのメッセージ』のノベライズも石森章太郎の絵に釣られたということがあるものの、面白く読んだ。

ただその後はあまりいい読者ではなかった。
チャンドラーの翻訳や人気シリーズ「銀河乞食軍団」は結局一冊も読んでいないし、近年のファインタック等も同様だ。
でも、SFマガジンに長期連載されていたエッセイは楽しみに読んでいたかな。

一度だけ本人にお会いしたことがある。
確か自分の車にも乗せた筈だ。
どういうことかというと、学生の頃手伝っていたSFコンベンションのDAINA☆CONにゲストとしてお見えになった時に、スタッフとして接したというだけのことであるのだが。
噂通りのにこやかで気さくなお人柄を実感する一方で、それだけではない鋭さも時折垣間見えた気がする。

ご冥福をお祈りします。


また、氷室冴子氏も同日逝去されたとのこと。

おそらく僕が読んだ唯一のコバルト作家であろう。
『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』『なぎさボーイ』あたりの80年代前半の作品は、当時の先輩・仲間に影響されて何冊か読んだ記憶がある。
僕はその功績を論じる任にはないが、コバルト文庫、いやこの時代の少女小説を代表する作家であったことは間違いない。

安らかに。

Track Back

Track Back URL

Comments [2]

えー、そうなんですか!?>野田さんご逝去
キャプテン・フューチャーが唯一シリーズ追いかけて、作者の名前は覚えきれないのに訳者の名前だけしっかり覚えたたSFでした(読むきっかけはNHKのアニメ)。
あれ、中学生のときだもんなあ……。
寂しいです。
情報ありがとうございました。

ケダさん、どもです。

「キャプ・フユ」(「キャプつば」みたいだなあ)は、僕も大半を読みましたね。
最近、創元から復刊された時も食指が動いたんですが、まだ手を出していません。
追悼をかねて、何十年ぶりかでどれか一冊でも読もうかなあ。

コメントする

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)

このページの上部へ

姉妹サイト

シネマエレキング
映画観た記録をだらだらと。

サイト内検索

最近のコメント

Powered by Movable Type 5.12