M-1グランプリ2007視聴記 後編

続きです。

6.キングコング
さて最近、自意識過剰ぶり全開の西野のブログを結構丹念に見ているのだが、その内容はというと、まあ自分のような歳になると「若者よ大志を抱きなさい。ウォッホッホ」と鷹揚に構えていられるが、もう少し若かったら「ウザッ」とか言っていちいちカンに障っていただろうなあと思うような、計算高さと純粋さの入り交じったある意味人間くさいブログであり、そこが結構気に入っている。
今回のM-1に対しても参戦決意の当初からその意気込みを語っていて、その意気や良しとばかり今回の闘いぶりを注目していた。
しかしながら個人的な結論からいうと、結構好意的に見たにも関わらず、いささか期待外れ。
動きもいいしテンポもいい。西野のツッコミがいささかガナリ過ぎという点もさほどマイナス要素にはならない。
その勢いを好ましく微笑んで見たけど、それを超えるものはなかったように思う。
決定的にネタが平凡というのが、痛い。
7.ハリセンボン
こちらは逆にあまり期待していなかったけども、思いの外良かったというパターン。
ここもザブングル同様、キャラ漫才の範疇に入れることができるんだろうけど、その類型を脱したおかしみが感じられたし、幾つかのボケやツッコミに独創性を感じた。
経験が力を産むんだなあと素直に思うし、4位という結果は妥当とも感じる。
8.ダイアン
たぶんこれまでネタは1、2回しか見たことない。
その時と印象は大きく変わらずで、もう少し面白くなりそうなのにという消化不良感が残る。
ネタの流れもあまり良いとはいえず、ボケもパンチが足りない。
もうちょっと別のモノを見てみたい。
9.敗者復活枠ーサンドウィッチマン
「エンタの神様」を全てチェックしてるわけではないが、たまに見ると目を惹かれるのがこのコンビだった。まあ、いかにも僕好みなんだけど。
「エンタ」という番組の性格上、すべてコント仕立てになっていたが、こうして漫才の形で見てもまったく違和感がない。
笑点とかで見たのはどっちの形だったかなあ、と忘れるほどにネタとしては掛け合いの面白味に満ちておりそんな枠組みから自由な感じなので、漫才じゃなくてあれはコントだとネットのあちこちで見かける評には馬鹿馬鹿しく思う。
やはり敗者復活枠というのは、決戦のプレッシャーに押しつぶされるヒマがないということと、昼間の闘いでの勢いをブースターにして威力を増幅できる強みがあるのだろうと外目に見て感じる。
それにしても最初の二言三言で最終決戦進出を確信させる程の出来は見事。

《最終決戦》
1.トータルテンボス
これまた安心して見ていられるかと思ったが、小ボケの幾つかがヤヤウケ程度だったことや、最後たたみかけてネタがエンドレスになっていくところが早口になりすぎて聞き取りにくかったのが惜しい。
この時点で、勢い的にほぼサンドウィッチマンの勝利を確信。
2.キングコング
うーん、今、念のため見返してみたけど、形のいい漫才だと思う。
だけどもネタ自体がやっぱあんまり笑えない。
来年以降もM-1に挑戦するんであれば、たとえばネタを外部(作家)に依頼するとかして、演者に徹してみてはどうだろう。
現状ではモノ作りにこだわる西野のプライドが許さないのだろうと思うが。
別にモノ作りを諦めろってんじゃなくて、そうすることで見えてくるものもあるんじゃないのかなって、素人考えだけど。
3.サンドウィッチマン
ちょっと小粒なネタだけど、期待を裏切らない出来。
冷静に見ると、トータルテンボスの方が良く作り込まれたネタだと思うが、ボケのおかしみとツッコミの言葉選択の巧みさが、こちらの方がより安心して見られるレベルに達しているような。
ということは結構どんなネタを持ってきても平気か、ここは。
ま、それは正月以降の楽しみということで。

以上、まずは納得の結果で、やっぱりラストはちょっと感動したなあ。
M-1の歴史的には、ここでいったんリセットされた感じを受ける。
麒麟、笑い飯は行き場を失ってしまったのではないのか。逆襲はあるのか。
さて、来年こそは次の世代がちらちらと顔を出してくる予感。

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