『翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 』麻耶雄嵩
新本格系で読んでない作家は結構多くて、他に有名どころだけでも、我孫子武丸、依井貴裕、二階堂黎人、西澤保彦等諸氏の作品が未読である。
別に読まなくてもいいなと思う作家もいるのだが、やはり気にはなる作家も何人かいて、麻耶雄嵩もその一人だった。
で、遂にそのデビュー作『翼ある闇』を読んでみた。もはや15年近くも前の作品になるわけね。
賛否両論どころか、絶賛と酷評を同時に浴びた作品ということは知っていたのだが、僕はダメだった、やっぱ。
まず文章が読めない。普段、飛ばし読みが出来ない人なんだけど、この作品に関しては飛ばして読んでちょうどいい感じ。じっくり読もうとしてもいろんなところが引っかかって、読み進める意欲がなくなるばかり。
それでも第2部に差し掛かり、探偵役が交代するあたりからは、どんな展開になるのだろうという興味だけでグイグイ引っ張られてはいったのだけども、あまりの展開に、こらまともに読んだらアカンと心の眼を閉ざしてしまったので、後はもう何が起こっても気持ちはフラットライン。
次作以降を読むかどうか。読みたくないけど、何をやっているのかは知りたい気もするし。どんなトンデモないことになってるかということに興味はある。それは清涼院流水にも同じ気持ち。
BOOK OFFで100円コーナーにあったら、買うとするよ。ま、コレも100円コーナーで買ったんだけど。
Comments [3]
いるかさん
▼我孫子武丸
私はまったく面白いと思わないのですが、「殺戮にいたる病」だけは別格で、年に1回くらい読み返しております。
▼二階堂黎人
あんまり良い評判聞いたことありませんがw、二階堂蘭子シリーズをはじめとする探偵小説的な雰囲気が好きで、初期は欠かさず読んでました。
▼西澤保彦
解体諸因、死者は黄泉が得るなど読んでるはずなのですが記憶になし。
うっすらと、面白かったイメージだけが。
麻耶雄嵩、清涼院流水は読んでおりませんですねぇ。
京極夏彦はどうですか。
私も、師匠に借りたうぶめ、魍魎のハコくらいしか読んでませんがw。このシリーズは狂骨が壁で、これで挫折した人がたくさんいるようです。私もそうですが。
田波正さん
『翼ある闇』というと、確か
「国会議事堂のような赤い絨毯」という描写があるやつだな(笑)。
『木製の王子』はおもしろいよ。
小説としておもしろいかどうかは微妙だけど。
『螢』は未読だが、たぶんおもしろいと思う。
elekingさん
>いるかさん
西澤保彦氏だけは、一度読んでみようとは思っているのですが、ずっとここまで来てしまいました。
京極は、読んでますよ。京極堂シリーズだけはずっと。『狂骨』がカベというのはわかるような気もします。それ以降では『絡新婦』なんかは割とハッタリも利いていて良かったと思うんですが、記憶も曖昧になりつつ。
まあ確かにサイドシリーズとかも含めてツラくなりつつあったりもするのですが、たぶん新作が出れば読むと思います。
>田波氏
そうそう。「まるで国会議事堂のように、階段にも赤い絨毯が敷かれていた。」です。
21歳でコレを書いたのは凄いという評をよく目にするのですが、そうかなあ...。21歳にしては,,,,、または21歳だからしょうがないか、というアラばかり目だってしまうのですが。
まあ、たぶん次も読んでみるとは思います。