『秋深き』 監督:池田敏春

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時間が空いたので映画を見ることになり、実は『GSワンダーランド』を見たいと思っていたのだが時間が合わなくて、上映中の他の作品を探していたところ、『ハッピーフライト』とこの作品が候補にあがった。
『ハッピーフライト』は出来が良さそうであったが、より興味を惹かれたのがこちらだった。
八嶋智人&サトエリってのがそんなに得意じゃない(キライなわけでもない。特にサトエリには興味自体はあるんだけど...、微妙な感情)のだが、池田敏春監督ってのが気になる。
そんなに映画鑑賞歴を持たない僕が『人魚伝説』『死霊の罠』『ハサミ男』等、結構監督の作品を見ているのは何かの縁?
で、あの作風の監督が人情ものって??? という興味。

見終わって、基本的には奇を衒った演出もなく、ダレ場があまりない佳作と思ったが、後半の展開に感情移入ができない(なんでそんな行動とるんじゃ!)と思ってしまうと評価が変わってくるかも。
脚本に文句をつけるわけでもないが、その展開に持ち込む部分が少し雑な印象。
もうちょっと何かを書き込むだけで、割り切れる心持ちに大多数の観客を連れ込めたのではと思うのだが。
原案とされた織田作之助の短編二つを読んでないので、あんまり突っ込めないけど。

その多少違和感の残る後半部も、他の池田作品のように異空間に連れて行かれるのかという程、異質なわけではなく、そういう意味では監督らしさを期待する向きには拍子ぬけかも。
池田監督の作家性をこの作品のどこに見出すのかということについては、他の方にお任せ致します。

主演の二人はまずまず好演。
佐藤浩一、赤井秀和の脇もそれぞれの持ち味を十二分に出していたが、渋谷天外がラストの一演技で全部持って行ってしまった感あり。さすが。

引っかかるところもないではないが、総じて好きか嫌いかでいえば、好きな映画。

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