最近読んだ本 補遺

このところ読んだ本のうち、まだ取り上げてなかったものから幾つかピックアップして簡単にメモ。

四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)
『四畳半神話大系』森見登美彦

yom yom 」を久々に買ってつらつら読んでいたのだが、「或る失恋の記録」という一編がなかなか気に入った。(他には、山本文緒の「ネロリ」が良かった。また追っかけよう。)
万城目学『鴨川ホルモー』を読んだときに、森見登美彦の方も読んでおかなきゃと思ってそのままになっていたのだった。
ちょうど角川文庫になってこれが出たところだったので、早速読んでみる。
「yomyom」に載った短編と同じ世界観の話で、京都の大学生活を舞台にしたファンタジー。
今でこそ京都は随分ご無沙汰だが、学生時代はいろいろ縁があって何度も訪れているのでなんだか懐かしい気分に。
高校時代の連れが住んでいたそれこそ四畳半のオンボロな下宿に泊り込んだことも何度かあるし。
ちょっとずつずらした話が4つ繰り返されるわけだが、そうした構成の妙もさることながら、読んでてすんなり馴染む文章であるというのがいいね。


グローリアーナ (創元推理文庫)
『グローリアーナ』マイケル・ムアコック

600頁超の絢爛豪華な文章を長い期間に渡ってちょろちょろ読んでいた。
策謀渦巻く宮廷小説とまとめてしまうには、はみ出す部分が多すぎる小説だが、いまひとつのれなかったのはあまりに細切れに読みすぎたせいか。
その割に振り返ると結構好きな話だったり。


ゴッドスター
『ゴッドスター』古川日出男

いまだ代表作を読んでいない気がする古川日出男。
緊密な文体で突っ走ってるってことなんだろうけど、「どうだすごいだろ」って自分で酔いしれているような作家性がちらついてどうにも入り込めない。
物語の中に〈私〉は見えないのだが、文体に〈私〉というか自意識が濃密に散りばめられているような気がして、息苦しいのだ。
まあ、『ハル、ハル、ハル』も図書館で見つけたら読もうと思ってるのだけどね。
『アラビアの夜の種族』も読まなきゃと思いつつ手を出せないでいる。


パパは神様じゃない
『パパは神様じゃない』小林信彦

小林信彦読み残し救済シリーズ。
育児エッセイという触れ込みだったので、若い頃の自分にはあまり関係ないやと読まずにいたのだが、読んでみると育児エッセイとは名ばかりのいつもの小林エッセイであった。
生まれたばかりの次女の育児ネタを枕にして、やっぱり好きな映画や移り行く東京の話とかを滔々と語っているのである。

ちなみにこれは初めてヤフオクで買った本である。
ヤフオク自体今更ながら初めてなんだけども。
当然ここら辺の角川の小林信彦ものはすべて絶版で、最近はあまり古本屋でも見かけなくなったので、ちょうど安く出品されていたものをゲット。
でもやっぱめんどくさいね。慣れればそんなこともないのかな。

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