ぼやぼやしている間に3月になってしまった。
久々にこのところ読んだ本をずらずらっと列挙。
『詩人と女たち』チャールズ ブコウスキー
ブコウスキーを読むのは初めて。
呆れるやら苦笑するやらのむき出しの性欲(なのか何なのか)に圧倒されつつ読み進み、飾らないにも程がある文章と韜晦しない潔さに深く感銘を受ける。
たぶん他の作品も追いかけることになるかな。
『晩年』太宰治
太宰の処女作品集だが、ここにいる太宰はあまりにもあざとすぎてちょっと鼻につくね。
若さ故? こっちが歳をとってしまったからかな。
『本棚探偵の冒険』喜国 雅彦
最近またちょっと古本屋をうろつきつつあるので、気になって。
まあ、僕の周りにもこのようなコレクターは沢山いるからなあ、程度の差はあれ。
僕はコレクターじゃないですけどね。
きちんと起承転結、オチのあるエッセイになってるのは、さすが四コママンガ家と思った。
『暗室』吉行 淳之介
昨年『夕暮れまで』を読んだけど、同様にあまり後に残らない。
読んでそんなに時間経ってない筈なのに、もう内容を忘れかけている。
結構するすると読めるのだが、どうも感性的に重ならないらしい。
『日本の10大新宗教 』島田 裕巳
興味ある分野なのだが、あまりこれまで積極的に調べたりしてこなかったので。
ざくっと読めるほんのガイドブックといった感じ。まあ、このボリュームでは仕方ない。
『〈畳長さ〉が大切です』山内 志朗
タイトルにピンときて読んでみたのだが、よく考えたら「ジョウチョウ」さって「冗長」さのことだよなあ。〈畳長さ〉というのは作者の宛て字とのこと。
意味は同じなのだけど、「冗」の字を嫌ったらしい。
自己訂正の機能や安全性の確保といった機能を持つ畳長性が、いろんな角度から語られる。
いやなんかひとつひとつはよくわかんないけど、そうだやっぱジョーチョーセイは「大切」なんだと思いを新たにしたのであった。クドイ文章しか書けない存在としては。
『乳と卵』川上 未映子
最新の芥川賞受賞作。
文藝春秋掲載の方で読みました。
ささっと読んでおくつもりが、意外と時間がかかった。
もちろんつっかかりがあることは悪いことじゃないんだが、評価は...、うーん。
作者に関して非常に興味はあるんだけど、実際読んでみるといまいち相性悪いかも、っていう、なんだか鳥居みゆきに対する感情と同じようなものを感じたり。
いや、鳥居みゆきと似てるって言ってるわけじゃないすよ。
『ドリームハウス』小林信彦
一時は師とも仰いだ小林信彦であるが、読み逃している作品も実は多い。
今年はちょっとそこら辺をつぶしていこうと思っていて、ひとまずこれ。
小品だが、小林信彦テイスト溢れる佳品。地味にイヤな話でもある(笑)。