『邪魅の雫』京極夏彦

邪魅の雫
長編としては3年振りなわけですか。
4?5作目まで、怒涛のように続けて出ていた頃は、つくづくすごいパワーだなあ、と思ってた。
あれだけの量、密度のものがコンスタントに出てくるのは驚異でもあり、また読者として純粋に楽しみにしていたのだが、その後かなり間が空くようになった。
それとともに、作品の密度が低下してないかなあ、と感じている。
本の重量そのものは増し続けているけども、あまり「みっしり」した感じは受けない。
今作は一見複雑そうなプロットだが、やりたいこと自体はよくわかる。
後半4分の1で話が動き出し、全体の8分の1が解決編に費やされているといった感じ。
そこだけ読めば...、とは云わないけども、そこまでの部分は幾分冗長に感じる。
僕の好きな京極作品はその部分こそが好きだったりしたのだけども、ここ最近の作品にはその部分の魅力が欠けているように思う。
はっきりいってちょっとしんどい。あまり興味を持てない登場人物達のやり取りが延々と続く部分。
どうなっていくんだろうねえ、この先。
1?2年ぐらいでパパッと出るようだったら期待しようかな、次作。

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