速読への憧れと違和感

自分は本を読むのが、いわゆる本好きとしては、遅い方だと思う。
もちろん内容にもよるが、一晩に2冊読んでしまうとか、出張の行き帰りで1冊読んでまだ足りないとか、そういうことにはまずならない。
読む速度はほぼ小学校高学年の頃から変わらず、平均して毎時7?80頁ぐらいじゃないだろうか。
だから文庫本1冊に4?5時間かかる勘定になるが、そんなもんだろう。リーダービリティが高めのもので3時間ぐらい。
今は、通勤の乗り物の中でしかほとんど読まないので、行き帰りで1時間を超えるぐらいかな。つまり5時間/週で1週間で1冊がやっとのペースというわけ。
この現状には内心忸怩たるものがあって、コンプレックスのひとつといってもいい。
本好きの割には、本が読めない。読めないというのは、文字通り能力的に読むことができないのである。

だから、「速読」という技術には憧れを持っている。
で、何回かその方法というのを聞きかじって、試してみようとしたのだがダメである。できない。
速読にもいろいろやり方はあると思うのだが、僕なりにまとめてみると2種類に大別できるのではないか。

ひとつは、視野を広げるやり方。どれだけ多くの情報を一度の目の動きで網膜に焼き付け脳内に送り込めるかということ。ブロック読みというやつですね。
これがどうにも苦手。視野が狭いのかしら。
どうしても、文字をひとつひとつ追っていってしまうし、頭の中である意味音読してるのかな、リズムを感じようとしている。だから、リズムの悪い文章だと極端にノリが悪くなり、読む速度が格段に落ちる。

もうひとつは、とばし読みってやつね。キータームを拾い出して、それを追って内容を把握していくやり方。
これもできない。とばした所に何か隠されてるんじゃないか、と疑ってしまうし、小説を読むことが多かったせいか、飛ばし読みは邪道という固定観念があるのだね。そんな読み方面白くないじゃないか、と。

もちろん、そんなことを超越した地点に速読の需要があるのだろうし、やむにやまれず習得する人も多いのだろう。
速読に憧れつつ、踏み切れないボヤキでありました。

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Comments [4]

elekingさんの日記には漫画喫茶の類が
登場しないんだなーと思ってましたけど、
そういうことだったのですね。
私も遅読にも程があるってぐらい読めない
タイプなので、コミック単行本20冊を
3時間ほどでさっさと読んでしまう速読夫には
強いコンプレックスがあります。
出張の際は文庫本2冊は用意していかないと
足りなくなっちゃうらしいです。

いやあ、ご明察。
まったくその通りなんですよ。
マンガ喫茶とか外で読むのはどうも落ち着かない。
立ち読みもできない体質なんです。("立ち拾い読み"なら大好き)
マンガも下手すると1時間に2冊読めないですね。
一コマ一コマ眺め回すように読んでるのかしら。貧乏性なんだろうなあ。

elekingさん、こんばんは。
僕も速読ができない人間なので、elekingさんの記事、まったく我が身のように読ませていただきました。キータームの話は速読の技術として聞いたことがありますが、小説を読むための技術ではないような気がして、あえて速読にこだわらなくてもいいかと思い現在に至っています。作家のかたが長い時間かけて書いたものをそう急いで読まなくてもという気もしますし・・・。ただ読むペースが遅いとどんどん読みたい本がたまっていくので、それも困りものですし・・・。なんとか文字をひとつひとつ追いながら早く読めないかと本日も悪戦苦闘です。
長々と乱文駄文失礼いたしました。
ではでは。

いやあ、べんてんさんも同士でしたか。
やっぱ、本の内容によって読み方も変えるというのが適当だし、たぶん我々も少なからず知らず知らずのうちにそうしてるとは思うのですが、意識的にとばし読みというのがなかなかできないのですよね。
小説なんかだと、どうにも読みにくかったりつまんなかったりしてもジリジリ一字一句読み続ける自分にイライラしたりしますけどね。
その割に全然頭に入っていかなかったりするので、飛ばし読みしても結果は一緒なのかも、とも思いますが。

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