『知に働けば蔵が建つ』内田樹

知に働けば蔵が建つ
これも面白いねえ。
そういう風に考えると物事が見やすくなるなあ、と思うことしきり。
僕のようなものがボヤボヤ考えていることをスパンとした切り口で整理して見せてくれるので気持ちが良い。
『個人情報保護』の話なんかも、感じていた違和感をきっちり説明してくれている。
個人情報というのは個人が「所有する」ものではなく、むしろその人を取り囲む共同体メンバーがその人に「贈与する」ものである。
つまり自分の名前とか住所とか諸々は、自分自身にとっては用がないもので、自分を必要とする他の人にとって用があるものだということ。
今の『個人情報保護』の観点は、その他の人からそうした情報を隠してしまうことにあり、それはその他人というものを危険なものとして見ているリスク社会ならではのことであるというのだ。
果たして、共同体にとって「名簿」が存在しない事態は幸福なのか不幸なのか。
少なくとも不便ではある、ということはそろそろみんな気付いているとは思うのだが。

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