本のコト 一覧

映画化作2冊

ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド
ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド/ブライアン W.オールディス
映画化されたそうで。
ポップスターとなったシャム双生児(+1)の愛と憎しみの生涯を描く...、なんつー要約はほとんどこの小説の紹介とならないような気がする。
お互いの身体がくっついた同士が喧嘩したら...、女性とセックスしたら...、片方が死んだら...、と思いつく限りのシチュエーションでさらりと遊んだファンタジー(ちょこっとホラー映画風味)といった感じで読んだ。
イアン・ポロックの挿画が素晴らしい。カバー絵も最高。

◆
となり町戦争
となり町戦争/三崎 亜記
これまた映画化されたそうで。
となりあった町同士が戦争を行うという非現実的な事態そのものがテーマかと思ったらそうでもないのね。単なるモチーフに過ぎないというか。
お役所仕事的戦争に翻弄される主人公を淡々と描いた不思議な空気感を持つ小説。
深読みしようと思えばいろいろ読めるような気もするけど、さらっと読むのがちょうどいいのでは。
文庫版となって、蛇足かのようにも思える「別章」が付け加えられたことで、物語がぐっと締まったような。

大菩薩峠を軽い気持ちで

ということで、むやみに読書熱が高まっているので、なにかPC上でも活字を読みたい、ブログとか以外で、と思い立ち、そんな時にハタと思い出すのがご存じ「青空文庫」。
著作権切れの作品を中心とした電子テキストの総本山である。名だたる文豪の名作群がタダで読めてしまう場所、という言い方もできる。
速読の練習を兼ねたいという欲求もあったので、なにかさらっと読めるものはと探しかけて、ふと『大菩薩峠』があったよなあ、と思い出してしまう。
全41巻にも及ぶ大長編であり、とてもさらっと読めるなんてものではないが、いっちょこれいってみるか、と読み始めた。
まだ、2巻に入ったところだが、これが、想像以上にオモシロイではないか。誤解を恐れずにいえば、もうマンガのようである。
これまでは長さに怖じ気づいて読もうともしていなかったのだが、いや、損をするところであった。
エキスパンドブックファイル形式のものを落として、リーダーを使って読むと快適快適。
この形だと、紙媒体以上に速読にも適しているような気がするなあ。

◆

並行して、太宰や乱歩や先日買ったyom yomを頭から読んだりしている。
このyom yomがまた、ささっと読むのにちょうどいい字組、造本なんである。
クイック・ジャパンも『やりすぎコージー』特集だし、読むものが溢れておる。
こういう読み方は今までしてないんだけどね。どうしちゃったんだろうか。

◆

BGMはイエス。プログレはあまり得意な方じゃないんだけどね。
リレイヤー究極

いまさら読書熱

思うところあって、と書くと聞こえはいいが、その実はただなんとなくなのだが、家でぼんやりPCでネットをふらふらしているような時間を、このところ読書の時間に振り替えている。
何度も書いていると思うが、一日の読書時間はここ最近、というかもう十数年、通勤の時に限られていた。つまり行き帰りあわせて、細切れに1時間半ないぐらいといったところ。
家ではほとんど雑誌等の活字を読むに限られ、本らしい本はほとんど読む習慣になかった。

以前、速読が苦手ということを書いた。それを、ここのところ、意識的に実践しようとしている。
もうなにか、本の読めなさ加減、読んでなさ加減に絶望的な気分になっているのである。
そんな風に思う必要はない、という意見は十分にわかるのだが、まあ、今はとにかくそんな風に感じているということ。
まあ、お得意の一時の熱病めいたもののような気もしなくもないけど。

◆

ここのところ、ポツポツとたどって聞き直しているKINKSを今日も一枚。なかなかハジケた名作では。
Misfits

TV Brosは、中部版が出る前から、ちょくちょく出回っていた(いりなか三洋堂などに置いてあったな)首都圏版の頃から買っているから、ほぼ創刊当時から読み続けている。
中部版創刊からは、ほぼ1号も欠かさずに買っているのではなかろうか。雑誌好きではあるものの、飽き性の僕にとっては珍しい。同じく長らく買い続けていた『what'in』も買わなくなってしまっている現在、コンスタントに購読している唯一の雑誌といえる。
そのTV Brosが現在発売中の号で500号を迎えたという。約20年ですよ。
隔週刊ではあるものの、よくここまで買い続けてきたものだと、雑誌にではなく、自分をホメたい。

このTVBrosはTV番組誌ではあるが、この種の雑誌のメインであるはずの番組表を使うというようなことは、個人的には特に最近滅多になくなっている。目当ては、多彩なコラム、TVとは時にまったくカンケイない雑多な特集、そして昔に比べてパワーは落ち気味だが、読者投稿の『ピピピクラブ』である。
先に述べたように他の雑誌をすっかり買わなくなってしまった現在、僕の唯一のエンタメ情報供給源でもある。
最近は買ってきても一気に読むようなことはなく、トイレの時とか、なにかの合間とかに、ボツボツと拾い読みをする。それで10日近く持たせ、1冊楽しみ終わった頃に次の号が出るという感じ。
すっかり日常である。

今号である500号記念号には、往年の名コラムが一時的に復活するという特集が組まれている。
中でも僕が好きだった高橋洋二の『10点さしあげる』(単行本も買った)、今回も人がなかなか気づかない見事なトコロに10点差し上げていて感心した。この時の『うたばん』、見てたんだけどなあ。
これを期に復活してくれないものか。

◆

BGMはそれこそ10年以上ぶりに聴いたDeaf School。懐かしいなあ。田波先生に教えてもらったんだっけ。ファーストとセカンド、当時はセカンドの方が好きだったけど、今聴くと甲乙つけがたいな。
セカンド・ハネムーン(紙ジャケット仕様)ドント・ストップ・ザ・ワールド(紙ジャケット仕様)

PLAYBOYを買ったよ

  • 本のコト
  • クレイジーケンバンド

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2007年 01月号 [雑誌]
うはー、月刊PLAYBOYを買うなんて生まれて初めてかもしんない。
いや別にカマトトぶってるわけではなく、グラビア興味としても、若かりし頃から基本的にパツキンの女性にあまり興味がなかったので、この手の雑誌の中でもこれとか、あとなんだっけ、よく似たのあったでしょ、あー、ペントハウス、それそれ。そこらへんはほとんど手に取らなかったんだよねー。
記事も『オトナのオトコ』してたから、あまりー、って感じ。
それでも中坊の頃には、従兄弟のアニキの部屋の机にこっそり隠されていたPLAYBOYを発見し、それなりにドキドキしながらページをめくった覚えがある。
その割になーんだ、という内容だと感じたのはその頃をもってしてもだが、今の目で見てもこれだけ裸の女性が誌面を飾っているのにエロ的要素は皆無、という感じがするのは、僕のゆがんだ私見でショーか。
プレイメイトとか、ほとんどインテリアって感じがするんだよね。それは外人女性にあまりそうしたキョーミを持たないせいでせうか。
ま、そんなことはいいとして、この号を思わず買ってしまったのは、横山剣センセイがそのインテリアたるプレイメイトをはべらせて歌う「プレイボーイ・ツイスト」のイメージビデオが収められたDVDがオマケでついていたからなのね。
ニューアルバムの中でも大好きな曲なので、アレなんだけども、ビデオの出来自体はフツーかな。ま、かっこいいことはかっこいいんですが。
大森望サンが大活躍のミステリ特集が本誌のメインであることも、購入を決意した大きな理由。
今から楽しみに読むとするかー。

◆

一昨日書いた『本の王国』で会社帰りに購入したわけだが、改めてじっくり廻るとこの書店、やはり満足というわけにはいかないかな、品揃え的には。
個性がないのは致し方ない所だろうが、もうあと一歩、惜しい、といった感じ。
でも絶対量はそこそこあるから、いいか。

◆

BGMは昨日に引き続いてkinksの佳作アルバムと久々にまとめて聴いたぞ大好きなロイ・ウッド。コワイ顔だけど怖がらないでね。
Soap OperaSingles: A's & B's

天才と呼ばれた漫画家の死

石川賢が亡くなった。
自分は近年は決していい読者とは云えなかったと思うが、一報を知り少なからずショックを受けた。
マンガに目覚めてちょっと経った幼年時代、永井豪作品は普通に身の回りにあり、その数々の作品でアシスタント・共作を勤めていた氏の絵柄は、刷り込みのように僕の網膜に刻まれていた筈だが、その後出会った『冒険王』での「変身忍者嵐」、「キューティーハニー」のコミカライズ、そして『サンデー』での「ゲッターロボ」が、漫画家・石川賢とのおそらくちゃんとした出会いであった。
しかしながら、当時、そうした別のマンガ家による原作付TVアニメの更なるマンガ化といった作品群の中で、「石川賢」をきちんと個体として認識していたかどうかはいささか心もとない。(「ゲッターロボ」はちょっと位置づけが違うが)
改めましての出会いは、やはり「魔獣戦線」ということになろう。
その後は、その凄さを認め、そして世の噂を聞きつつも、あまりその作品群を追ってはいなかったが、十数年前「ゲッターロボ號」にて久々に遭遇。石川イズムを再確認できた。
冒頭に書いたとおり、その後はマンガ自体から遠ざかっていたこともあり、ほとんど作品は読めていない。しかしいつかはまとめて、と心に留めていた数少ない作家であった。
よって、氏の真骨頂を知る前に訃報に接したということで、何か宙ぶらりんになった気持ちである。
現役も現役の作家であった筈で、自分以上にその死を惜しみ悲しむ人は世に数多かろう。
合掌。

◆

今日通勤で聴いてたのは...。
Moanin'Fine

『雷の季節の終わりに』恒川光太郎

雷の季節の終わりに
前作であるデビュー作『夜市』が結構気に入った恒川光太郎の初長編。
本屋で見かけて思わず購入するぐらいは期待が高かった。
『夜市』所収の2作品同様、この現世と別の世界との行き来、狭間を舞台としている。といっても同一設定というわけでもないのだが。
今回は、あちらの世界に『穏』、狭間の世界に『高天原』と、具体的に名前がつけられている。
そして、文体は叙情的ではあるものの、今回の話自体はさして叙情的というわけではない。
よって、というかなんというか、話に振れ幅が少ないのだ。話の展開がYA的というか(こんな言い方はYAをほとんど読んだことがないくせに不適格だろうが)、読者に想像させる余地があまりなくなっている。
話の流れも、いったい何が中心であるのか、とっちらかった印象を受ける。最後無理やり収束するような形で終わるので、まことにもってあっけない印象を受ける。
うーむ、今回はあまり推せないなあ。
スイスイとそれなりに面白く読めることは読めるのだが、不満に感じることの方が多かった。
前作に比べ今作は割とありがちなホラーに寄ってしまっているのではないだろうか。だとしたら、惜しいなあ。

『忌中』車谷長吉

忌中
車谷長吉を読み始めてもう何冊めかになるけど、一読巻置くあたわずというが、どれも最後まで目が離せず、ぐいぐい惹きつけられる。
ストーリーが波乱万丈であるとかそんなことではないのだが、ひとつひとつの描写から目を背けることが出来ない、そんな思いで読み続けることになる。
この『忌中』は、6つの独立した短編からなる作品集だが、「自殺」「心中」「殺人」のオンパレードで、舞台にも「墓」「古墳」等、「死」で満ち溢れている。
しかしながら、この本を読み終えて感じられるのは、「死」の静謐なイメージなどではなく、「生」のどうしようもなく無様な様子が、ねっとりした質感を持って迫ってくるということである。
そして時に見るに耐えないそれらの様子からも、車谷の筆にかかれば、やはり目を背けることが許されないのである。

『邪魅の雫』京極夏彦

邪魅の雫
長編としては3年振りなわけですか。
4?5作目まで、怒涛のように続けて出ていた頃は、つくづくすごいパワーだなあ、と思ってた。
あれだけの量、密度のものがコンスタントに出てくるのは驚異でもあり、また読者として純粋に楽しみにしていたのだが、その後かなり間が空くようになった。
それとともに、作品の密度が低下してないかなあ、と感じている。
本の重量そのものは増し続けているけども、あまり「みっしり」した感じは受けない。
今作は一見複雑そうなプロットだが、やりたいこと自体はよくわかる。
後半4分の1で話が動き出し、全体の8分の1が解決編に費やされているといった感じ。
そこだけ読めば...、とは云わないけども、そこまでの部分は幾分冗長に感じる。
僕の好きな京極作品はその部分こそが好きだったりしたのだけども、ここ最近の作品にはその部分の魅力が欠けているように思う。
はっきりいってちょっとしんどい。あまり興味を持てない登場人物達のやり取りが延々と続く部分。
どうなっていくんだろうねえ、この先。
1?2年ぐらいでパパッと出るようだったら期待しようかな、次作。

ベータ2のバラッド
今更ながらに読了。
表題作は、ディレイニーと思って身構えて読まなくても楽しめる宇宙SF。割と好きだな。
ベイリーは、数学なのでやはり苦手。こちらがワハハと笑って読める才能に欠けている。
ロバーツは、らしい静謐感に溢れつつ、緊迫したサスペンスにも富んだ良作。
エリスンは、思ったよりまっとうな(フツーな)一編ですな。勝手にもっとぶっ飛んでいるのかと思ってた。
カウパーは、実は一番期待せずに読んだのだけど、一番楽しめたかも知れない。ウェルズやワーロック等のタームなしでも十分楽しめる。
ウェルズは、実は初めて読んだかも。じゃあ『タイムマシン』でも読んでみるか。
〈ニューウェーブ短編集〉というには、あまりニューウェーブニューウェーブしてないなあ。編者の独特のニューウェーブ感が照射されてる感じ。それはそれでいいとは思うけど。

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