もうなんだかひどい有り様である。
先日読んだ「世界の終わりの終わり」が、苦手な話であるにもかかわらず妙に引き込まれた部分もあったことが気になって、デビュー作を読んでみる。
いやあ、デビュー作はあんなもんじゃなかった。
さらに壊れきっているのだが、怖いものみたさというか酷いものみたさというか醜いものみたさというか、途中で放り出すことができず、とうとう最後まで読んでしまった。
文章までが壊れきっていたら投げていたと思うが、ちゃんとコントロールされてるから読めてしまうのだろう。
話の内容を要約することすら馬鹿馬鹿しく思うし、小説としても好きじゃないんだけど、思ったよりも嫌いでもないというこの感情をどう説明したらいいのか。
ジャンクという言葉では説明しつくせない魅力があるのかもしれないねえ。
そしてこの作品をちょっとだけ支持している僕がいて、また別の作品も読んでしまうのかなあ。
本のコト 一覧
数ヶ月かけてちょびちょび読んでいた。
老優である名探偵中村雅楽もの、600頁超の全18短編を少しずつ。
もったいなくてゆっくり読んでいた、というよりは、続けて読むと正直ちょっと飽きる感じ。
端正な文章と歌舞伎・演劇の蘊蓄の絡みは味わい深いとも思うが、ずいぶんと淡泊で口当たりがさっぱりしすぎていて、いかに高級魚でも毎日白身魚ばかりでは飽きるってもんで。
たまには脂っこいものも食べたいし、ふざけるとか冗談とかとは無縁な感じの四角四面の雰囲気もいささか堅苦しくなってくる。
トリックに唸るというよりかは、その使い方見せ方の妙を見るような感じの作品が多い。
まずまず楽しめたけど、全集の続きを読むのはしばらく後でいいかな。


このミスも20年目ということで。
節目をお祝いしてこれまでの号をずらっと並べてみました。
うーん、ずっと買ってる割には、ここにランキングされた本のうちいったい何冊しか読んでいないことか。
まあ、それでも何十冊ぐらいかは読んでるかな。怪しい...。
たぶん、ベスト20内、国内外あわせても年3?4冊程度だろうなあ。
今年度ランキング内も読了まだ2冊だし。
このミスが出ると、お、あれも読みたいこれも読みたい、となるのだが、すぐ忘れてしまって、好き勝手な本を読んでいってしまうのが毎年のこと。
ほんの5年ぐらい前は絶望的であったスタージョンの翻訳状況はここにきて依然好調。
河出の奇想コレクションの中だけでもこれで3冊目である。
これだけ出るってことは、売れてるんですよね? それなりに。
佳きことである。
今作は長い中編である表題作が全体の約半分を占め、残り5編中2編が本邦初訳。
3編は既訳があり、大昔にスタージョン日照りが続いていた頃、あちこちから探し出して読んだものである筈だが、ほとんど内容は記憶になく、新鮮な気持ちで読むことが出来た(笑。
なかでも「必要」は結構傑作だったと思いこんでいたが、今回読むとそれほどでもないなあ。
白眉はやはり表題作である。
ちょっと変わった書き方がしてあることもあり、やや読みづらいなあ、と思いつつとろとろ読み進めていたのだが、なかなか内容が頭に入ってこない。
4分の1ほど読んで諦めて一度リセットして、もう一度頭から読んだら今度はすんなり読めるではないか。
決して難解というわけではないと思うのだけど、うーんやっぱある意味難しいのかも。
スタージョン特有の書き方と読み手の溝がピタッと合うと、いろんなものがスルスルッと見えてきて、ところどころ内面に突き刺さってくる。
カチッと明瞭に書いてあるわけではないので、こういう書き方は気持ち悪いと思う向きも多いだろうね。
この作品は解説等にもある通り、スタージョン的テーマの集大成的なところがある。
孤独、考え方、触れあい、合体...etc.
他の名作短編群でもおなじみのモチーフであるし、これでそれらと長編『人間以上』がなんとなく改めて繋がってくるようにも感じた。
こんな風にはスタージョンにしか書けない。
なにが凄いってうまく云えないけども傑作と思えるところが、実にスタージョンらしい作品。
と、さっそく翌日に更新してみるテスト。(意味なし)
なんとなくムクムクとSFリハビリしてみたくなってきた気持ちを大切に育てようと、SFマガジン1月号を買ってみる。
新刊書店でマガジン買うなんて下手したら10年ぶりぐらいではないか。
とりあえず、巻頭のテッド・チャン特集のみ一通り目を通す。
アラビアン・ナイト風ハード時間SFノヴェレット「商人と錬金術師の門」が、かなりいい。
語り口、読後感とも素晴らしい。
ぎゅっと凝縮したような2ページの短編「予期される未来」にも唸らされる。
科学と魔法、SFとファンタジーを簡潔に論じたエッセイも良い。
『あなたの人生の物語 』を読んだのはもう4年も前かあ。
すっかり内容を忘れてしまっているが、これなら再読してもいいかも。
いやー、たったいま読み終わった。
評判作だったので読みたかったのだが、なにかと延び延びに。
やはり読んで良かった。実に読み応えがあったなあ。
星新一の生涯を、残された膨大な資料や関係者へのインタビューなど詳細な調査で再構成した労作。
中盤からは、ウン十年前に読み漁った、日本SF創世期について書かれたさまざまなエッセイや日記や評論等々をうっすらと思い出しながら、いささか興奮しつつ読み継いだ。
SFに詳しくない人でも、星新一を読んだことのある人、いや「星新一」を忘れていた人、にはぜひ読んで欲しい作品といえる。
きっと星新一の作品をもう一度読みたくなるに違いない。
先日、NHKでやっていた「星新一 ショートショート劇場」は、やっぱこの影響かなあ。
さらにはETV特集でやってた日本SF特集もそうなのかもしれないね。あ、録画したまままだ見てないや。さっそく見よう。
終盤、ショートショート1001編到達後の晩年の記述に寂寥感を覚えつつ、読了。
そろそろ年末だなあ。年間ベストの季節よのう。
と思い立って今年評判の良かったミステリを調べたところ、ダントツ人気のこちらを図書館で確保。
基本的に前情報なしで読み始めたかったのだが、この本に辿り着くまでの探索過程でうっすらとネタバレされかけており、それはトリックの一部かなにかでミステリではよく使われるあのパターンが使われているようだといった程度のうっすらぶりではあったものの、不安を抱きつつ読むことに。
旧家、因習、祟り、後継取り争い、と王道の怪奇本格のキーワードが立ち並ぶ。
こういうのは久々だなあ。
訥々とした語り口ながら、興味を持続させつつ終盤の謎解きにまで導く基本的な魅力はある。
実は前にも書いたと思うが、本格ミステリ好きではあるもののあまり謎解きでカタルシスを得たことは少ない。
論理的に導かれる答にあまりピンと来ない性質のようで、頭の悪い所以であるが、説明されればされるほどシラけてしまうことが多いのだ。
しかし、この作品の謎解きには参った。
ここまでやってくれれば、シラけるもなにもない。
懸念したようにネタバレされかけたトリックは使われていたものの、それが二重三重にも仕掛けられ巧みに利用されており、ラストの怒濤の謎解きとどんでんにおいては、ちょっとスレた読み手でもどこかで一つぐらいは、あっと声をあげるのではないか。
ご都合主義だとか、非現実だとか言うのは簡単だが、そんなことはこの作品の評価を少しも損なわないであろう。
ミステリのコードを利用しつくし、枠組みの中で遊び尽くし、その枠組み自体をも部品として利用して枠から超え出ようとした意欲的な作品といえるのではないだろうか。
個人的好みからは、満足より☆ひとつマイナスだが、優れた作品であるという評価は変わらない。

ちょっと前から気になっていた佐藤友哉を図書館の新着コーナーで捕獲したので、早速読んでみる。
実はちょっと前に『灰色のダイエットコカコーラ』を同じく図書館で借りて読みかけて挫折している。
正直、タイトルからしてイタい感じがプンプンして、普通だったら手に取らない。
セカイ系っていうんですか?
たぶん読んだことないけど、きっと合わないタイプのあの系統なのかなと恐れつつ読み始めたのだが、いわゆるセカイ系の定義からはちょっと外れる作品のようである。
とはいえ、ホッとはできない。
脳内妹とかがいきなり登場しており、苦手な世界に引きずり込まれることになる。
作者自身をモデルにしたかと思われるデビューしたもののまったく本が売れず作家を続けることができなくなって悶々とする主人公が、幼い頃死んだ妹の呪縛で北海道で引きこもりをしていたのだが、一念発起して東京に居を移し、そこでひょんなことから出会ったこれまた妹系の少女に振り回され....。
うーむ、恥ずかしいというか、いたたまれないというか、イタイというか、おじさんにはちょっとツライ描写が続くわけなのだが、中盤に差し掛かる頃からリーダビリティの高さもあいまっていっそ楽しくなってくる。
しかしながら、終盤になり収束というか尻つぼみというか逆にある意味拡散するかのように物語が終結していくわけだが、あまり感心しなかったなあ。
まあ、タイトルから予測される範囲の話だったわけねぐらいの感じ。
笑えたのは、角川から出版されている本の中で、講談社LOVEとわめいているところだったり。
なんか妙に引き込まれる部分もあって、切り捨てられない感じはあるので、もうちょっとつきあってみるかな。



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