『團十郎切腹事件』戸板康二

團十郎切腹事件

数ヶ月かけてちょびちょび読んでいた。
老優である名探偵中村雅楽もの、600頁超の全18短編を少しずつ。
もったいなくてゆっくり読んでいた、というよりは、続けて読むと正直ちょっと飽きる感じ。
端正な文章と歌舞伎・演劇の蘊蓄の絡みは味わい深いとも思うが、ずいぶんと淡泊で口当たりがさっぱりしすぎていて、いかに高級魚でも毎日白身魚ばかりでは飽きるってもんで。
たまには脂っこいものも食べたいし、ふざけるとか冗談とかとは無縁な感じの四角四面の雰囲気もいささか堅苦しくなってくる。
トリックに唸るというよりかは、その使い方見せ方の妙を見るような感じの作品が多い。
まずまず楽しめたけど、全集の続きを読むのはしばらく後でいいかな。

M-1 2007の最終決戦進出者が決まった。
笑い飯、POISON GIRL BAND、ザブングル、千鳥、トータルテンボス、キングコング、ハリセンボン、ダイアン。
どうですか、正直あまり、おおっという感じがしない。
いや、キンコンが出るのはいいんですよ。最近、西野のブログも読んでるし(ちょっとハズイとこあるけど)。ガンバッてるなあ、と思うし。
ハリセンボンもそれほど個人的には好きな方ではないけど、なかなか面白いことは認める。
ザブングルは顔芸以外の印象があまりないんで、正直どうなの、と思うけども、あとはダイアンを除いてほぼ常連だよね。
新鮮みが薄いメンツだなあ、と。
でも堅いところだなあ、とも感じる。
麒麟がいないのを除けば、これらの常連組は順当に勝ち残ったという見方をするのが妥当なんだろうな。
個人的に今年是非M-1の舞台で見たかったのは、とろサーモン、サンドウィッチマンあたり。
ジャルジャル、鎌鼬、我が家、スマイル等々はまだこれからって感じかな。
小学生コンビのまえだまえだ、先日のエンタで見たけど、前評判どおりちゃんとした漫才だったなあ。
実はオリラジも密かに応援していたのだが。
かなりアンチも多いようだけど、僕は割と彼ら好きなんだよなあ、なんかしらんが。
アホなおっさんの辞任劇で放映を飛ばされた「NHK新人演芸大賞」がやっとこないだの土曜深夜に放映されてたので、チェックを入れたのだけど、オリラジの漫才良かったですよ。
ジャルジャルが優勝なのはしょうがないかなあ、と思ったけども、個人的にはオリラジのネタの方が好きだったなあ。
声の張りとか見栄の切り方とか動きのキレとか、そうした部分では他を圧倒してると思う。繰り返して見られるネタっていうか。笑いの総量とかを問題にされちゃうと弱いのだけどね。
来年もこれに懲りずに挑戦してほしいと思う。
で、今年のM-1の行方は...、ちょっと予想するには早いけど、キングコング、トータルテンボスと敗者復活組の三組での最終決戦ということでどうか?
個人的には千鳥、好きなんだけど...。

このミス2008年版


このミスも20年目ということで。
節目をお祝いしてこれまでの号をずらっと並べてみました。
うーん、ずっと買ってる割には、ここにランキングされた本のうちいったい何冊しか読んでいないことか。
まあ、それでも何十冊ぐらいかは読んでるかな。怪しい...。
たぶん、ベスト20内、国内外あわせても年3?4冊程度だろうなあ。
今年度ランキング内も読了まだ2冊だし。
このミスが出ると、お、あれも読みたいこれも読みたい、となるのだが、すぐ忘れてしまって、好き勝手な本を読んでいってしまうのが毎年のこと。

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)

ほんの5年ぐらい前は絶望的であったスタージョンの翻訳状況はここにきて依然好調。
河出の奇想コレクションの中だけでもこれで3冊目である。
これだけ出るってことは、売れてるんですよね? それなりに。
佳きことである。
今作は長い中編である表題作が全体の約半分を占め、残り5編中2編が本邦初訳。
3編は既訳があり、大昔にスタージョン日照りが続いていた頃、あちこちから探し出して読んだものである筈だが、ほとんど内容は記憶になく、新鮮な気持ちで読むことが出来た(笑。
なかでも「必要」は結構傑作だったと思いこんでいたが、今回読むとそれほどでもないなあ。
白眉はやはり表題作である。
ちょっと変わった書き方がしてあることもあり、やや読みづらいなあ、と思いつつとろとろ読み進めていたのだが、なかなか内容が頭に入ってこない。
4分の1ほど読んで諦めて一度リセットして、もう一度頭から読んだら今度はすんなり読めるではないか。
決して難解というわけではないと思うのだけど、うーんやっぱある意味難しいのかも。
スタージョン特有の書き方と読み手の溝がピタッと合うと、いろんなものがスルスルッと見えてきて、ところどころ内面に突き刺さってくる。
カチッと明瞭に書いてあるわけではないので、こういう書き方は気持ち悪いと思う向きも多いだろうね。
この作品は解説等にもある通り、スタージョン的テーマの集大成的なところがある。
孤独、考え方、触れあい、合体...etc.
他の名作短編群でもおなじみのモチーフであるし、これでそれらと長編『人間以上』がなんとなく改めて繋がってくるようにも感じた。
こんな風にはスタージョンにしか書けない。
なにが凄いってうまく云えないけども傑作と思えるところが、実にスタージョンらしい作品。

007 カジノ・ロワイヤル (初回生産限定版)
なんの気なしに見たのだが、かなり楽しめた。
007をずっと追ってきているわけではないし、ピアース・ブロスナンのシリーズに関してはひとつも見ていない。
今回は気分一新、ダニエル・クレイグをボンド役に迎えた第一作。
「カジノ・ロワイヤル」はフレミングの原作の第一作でもあるし、オーソン・ウェルズやピーター・セラーズが出たパロディ映画としてしか映画化されていなかったことも良く知られている筈だ。
一頃のシリーズの荒唐無稽さは影を潜め、とはいえ、派手なところは派手に、抑えるところは抑えた演出は好感が持てる。
何度かあるチェイスシーンも見応えがあり、ロケーションも素晴らしく綺麗で大画面で是非見たいと思わせた。
ラスト直前でちょっともたついたような印象を受けたものの、まあご愛敬というべきか。
落ち着くべき所に落ち着いて、ジェームズ・ボンド誕生譚としての側面もちょこっと。
次回作が楽しみ。

CURE キュア
初見。
ボヤボヤと見ていると、引き込まれつつもなんだかよくわからないうちに映画は終わってしまう。
ラストで放り投げ出され、しばし呆然とした後、すぐさま本編中のさまざまなシーンが脳裏に蘇ってきて、あれやこれやといろんな解釈をしたくなってくる。
映画にわかりやすさを求める向きにはなかなか受け入れられない作品だろうが、かといって、難解といって遠ざけるような内容でもない。
DVDの特権で、あちこちのチャプターを少しずつ再生して見返した。
また通して見ることもあるだろう。
非常に脳に響く映画であった。

テッド・チャン特集

と、さっそく翌日に更新してみるテスト。(意味なし)

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

なんとなくムクムクとSFリハビリしてみたくなってきた気持ちを大切に育てようと、SFマガジン1月号を買ってみる。
新刊書店でマガジン買うなんて下手したら10年ぶりぐらいではないか。
とりあえず、巻頭のテッド・チャン特集のみ一通り目を通す。
アラビアン・ナイト風ハード時間SFノヴェレット「商人と錬金術師の門」が、かなりいい。
語り口、読後感とも素晴らしい。
ぎゅっと凝縮したような2ページの短編「予期される未来」にも唸らされる。
科学と魔法、SFとファンタジーを簡潔に論じたエッセイも良い。
『あなたの人生の物語 』を読んだのはもう4年も前かあ。
すっかり内容を忘れてしまっているが、これなら再読してもいいかも。

毎日更新休止のおしらせ

つことで、この辺でちょっと毎日更新を休止することにする。
いやあ、よく続いたなあ、自分としては。
ホームページ自体は12年間やってきてるけど、毎日更新をしたりしたのは、これまでせいぜいほんの数ヶ月単位のことであった。
今回は、いっきに伸びて2年半である。
やればできるじゃん。
ま、なにかしら得るものもあったと思うので、当初の目的は達したということで、ちょっとまた違う取り組みをするかもしれないし、このまま間欠的にだらだらと続けるかもしれないし、なにも決めてないのだけども。
とにかくブログ自体は続きますので、今後ともよろしく。

『秋の牢獄』恒川光太郎

秋の牢獄

恒川光太郎の三作目。
一作目をかなり気に入って、二作目の長編はいまひとつ。
さて今回は、短編が三本入った作品集。
するするっと読めてしまうのは相変わらず。
話の転がし方がうまいのだけど、その転がし方は短編向きだなあ、と実感。
タイトル通り、三編ともに「なにかに閉じこめられた」人物を描くのだが、その中でもまんなかの「神家没落」が、一番、彼らしい持ち味が出ている。
彼らしい持ち味とはすなわち「こちら側とあちら側の狭間を行き交う人のせつなさを描く」であろう。
期待してしまっているせいか正当な評価ができないけども、まあ、小品集といったところかな。

少女七竈と七人の可愛そうな大人

桜庭一樹を読むのもこれで四冊目となる。
いわゆるラノベ時代の作品はひとつも読んでないのだが、大体この作家の傾向がつかめてきた。
『赤朽葉家』や『私の男』を読んで非常に面白かった一方、少しだけ不満を感じた部分はおそらく僕がこの作家にないものねだりをしてしまっているのだろうということに気づいた。
だから多分、的外れな評だった筈だ。
で、その僕の「不満を感じた部分」が膨らんだようなこの作品に対しては、感想がうまくまとまらない。
それでもするすると読めてしまったのだが。
いまのところ『砂糖菓子』が一番好きかもしれない。

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