![]() | めし [DVD] (2005/07/22) 上原謙原節子 商品詳細を見る |
昭和二十年代半ばの大阪の市井の生活。まだ各家庭にテレビなどはなく、居間には小さなちゃぶ台、そして土間のかまどで飯を炊き、軒下で洗濯板を使う日常。 電化された現代に比べれば、家事の苦労も並大抵なものではなかったろう。 東京から嫁いできた原節子演ずる主人公は株屋の旦那の上原謙と二人暮らし。 来る日も来る日も家事に明け暮れる妻と勤め人の旦那は、次第に倦怠期に差し掛かりつつあり、日々微妙な感情がすれ違うというよくある情景。 『毎日毎日わたしの顔見ればメシメシって、あんたの飯炊き女じゃないのよ!」って奴である。 ま、原節子はそんな下品な言い方はしないのだけれど。 そんなある日、旦那の姪っ子が家出をして転がりこんできた。まだ世間知らずで少し我がままな娘だ。 三人での生活が始まるが、それをきっかけに夫婦のすれ違いは増幅し、日常生活に埋没していた妻は、ささやかな反乱を試みて東京の実家へ旅立つ。 先日観た小津の『お茶漬けの味』同様、ここでも夫は頼りなさげでいてその実、懐が広い人物像に描かれている。 妻のささやかな反乱に戸惑いつつも、それを許しつき合っているところがある。 現代の女性から見ると逆に鼻につくかもしれない。 おずおずと反抗を企てるがその実従順な主人公を奔放わがままな姪っ子とずっと対比させておいて、台風の来た実家でのある一夜の出来事で二人の存在をぎゅっと収束させるところがうまい。(このシーンでの小林桂樹が印象的。追悼。) 何気ない映画だけど、実にいいね。
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