![]() | ボーイズ・オン・ザ・ラン [DVD] (2010/09/22) 峯田和伸 商品詳細を見る |
鬼才・花沢健吾により「スピリッツ」に連載されていた漫画 の映画化作。 原作は後年、普段マンガをあまり読まなくなっている僕がかなり夢中になって読んだ。 今回の映画の筋立てはその原作の前半部をほぼ忠実に再現。 主人公の田西が同僚のちはるにほのかな恋心を抱き、その乙女心を食い物にしたライバル会社の営業マン青山と対決するところまでを描く。 こうやって要約してしまうと、この物語のキモが少しも捉えられていないことがわかるなw。 主人公は熱血青年ではなくどちらかというとダメ人間だし、ちはるも純情な乙女というわけではけっしてない。 さらに青山も単なるイヤな奴ではなくスマートな好青年だったりもするのである。 そうした一面的ではない人間が織り成す感情の機微がドロ臭い話の中で繰り広げられるのがこの作品のミソ。 で、映画はそこのぶぶんに関してはうまく掬い上げているといえよう。 その勝因のひとつはキャスティング。 『20世紀少年』のように容姿そっくりさんが選ばれてるのでは必ずしもないのだが、キャラの芯を捉えたナイスな人 選。 例えば小林薫なんて原作のハゲ親父と全然違うわけだが、醸し出す雰囲気はかなり近い。 青山役の松田龍平もスマートな好青年でありつつ結構な悪党という役柄をうまくこなしているし、ちはる役の黒川芽衣は純朴そうでありながらその実ヤリ手の女の子をうまく表現。 田西役の峯田和伸に至ってはイメージぴったりとしかいいようがない。 ただ筋を知っているせいなのかなんなのか、特に前半部分の展開が実写になるとなんだか恥ずかしくてじっと観ていられない気分が個人的には。 とはいえ全体的には、クライマックスへ向かっての高まりもうまく描かれており、さしたる余分なシーンもなく、配役も優れたなかなか秀逸な映画化とは思う。 ほぼ原作通りで進行するけど、ラストの駅での田西とちはるの別れシーンのニュアンスが原作とは少し違うね。 原作はあの続きがまだあるからあれでいいのだけど、確かにあの感じで終わられると一本の映画としては収まりが悪いのでこれで正解かも。
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